民族
過去の歴史からもラオス国民は多民族により構成されています。それはメコン川の流れやけわしい山稜が国土を刻んだために、各集落が個々に発展してきたためと考えられています。1995年に実施された国勢調査によるラオス政府の発表では47民族が確認されていますが、民族数については68と報告する調査結果もあり、実際には現在でも明確ではありません。このように各民族の分類や定義が不明瞭であり、また時には民族の固有名称が差別的意味を含んで使用されることから、ラオス社会では民族の固有名称の代わりに居住地域による三分類の呼称を用いることが広く慣行化しています。 |
ラオ・ルーム
(低地ラオス人) |
低地平野地方やメコン川流域に居住するラオス人の総称。低地ラオス人や低地周辺に居住する高地タイに代表されるタイ系諸族で、ラオ族・ルー族・黒タイ族・赤タイ族・白タイ族等が含まれる。全人口の68%(1996年)を占め、ラオスにおける政治・文化の主流を担っている。タイ・ガタイ語系に属するラオス語を話す。 |
ラオ・トゥン
(山腹ラオス人) |
山間中腹に居住するラオス人の総称。カー系諸族のカム族・ラヴェン族・ラメット族・モン族等が含まれる。全人口の22%(1996年)を占めるが、国内における地位は低い。焼畑農業を営み、モン・クメール語を話す。ラオスにおける先住系民族。 |
ラオ・スーン
(高地ラオス人) |
ラオス北部の山間高地に居住するラオス人の総称。フモン(メオ)族が主流で、ミエン(ヤオ)族やアカ族も含まれる。全人口の9%(1996年)を占める。移動生活を営み、チベット・ビルマ語やミャオ・ヤオ語を話す。 |
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参考資料と引用:日本国外務省 (財)自治体国際化協会 |